便秘と体臭の強さは深く関係していると考えられます。
便には体の中の老廃物や毒素が含まれている為、強いニオイを発生する物質が多く含まれています。
体臭を減らすには便をためずに速やかに体の外へ排出することが大切になります。
便が体内にとどまるとどのような理由で体臭が強くなるのか見てみましょう。
スポンサードリンク
もくじ
便は体の老廃物と有毒な物質が詰まっている
便は約60%の水分と約35%の腸内細胞が死んで剥がれ落ちたものや腸内細菌類の死骸と、約5%の食物繊維など消化しきれなかったものや体内から排出された毒素などで作られています。
この毒素は数種類あり、みな悪臭を放ちます。
話は横道に少し外れますが、人間は「悪臭」をどうして嫌なニオイと感じるのかというと、ニオイで危険を察知するために「嫌な臭い」と感じるのです。
食べ物が腐っているかどうか、匂いをかぐことがありますよね。
食べ物が変なニオイをしていると「危ないから食べちゃダメ」と判断しますよね。
人間の本能としてニオイは危険回避をするために危ないものを「悪臭」と感じるようになっているのです。
便の中にもアンモニアや硫化水素といった体に有毒な物質が含まれています。
だから便は嫌なニオイがするのです。
便が長時間体内にとどまると体のニオイが強くなる
長い時間体内にとどまった便を「宿便」と呼びます。
この状態になると便と一緒に排出されるはずだった毒素が腸の内壁から血液に入り込み、体中をめぐります。
血液に乗った毒素が皮膚の血管にまわってくると毒素がガスとして肌から放出され、嫌なニオイの体臭となります。
肺には大量の毛細血管が張り巡らされています。
肺に毒素が回ると、二酸化炭素と酸素を交換する際に毒素が呼気と一緒にはき出されて口臭となります。
便の悪臭の素は?
胃腸で食物が消化される時に、アンモニアや硫化水素が出て来ることがあります。
アンモニアや硫化水素だけでなくインドール、スカトールといった体に有害でニオイの強い成分も出てきます。
水に溶けやすいアンモニアの一部は血液に交じって腎臓を通して余分な水分と一緒に尿として排出されます。
アンモニア以外の毒素は血液に溶け込み、血流と一緒に体の中をまわります。
アンモニアのニオイはおしっこのニオイですので知っている方は多いと思います。
硫化水素のニオイは温泉などで卵の腐ったようなニオイを経験された方もいるかと思いますが、あのニオイが硫化水素です。
どちらもいいニオイと感じる方はいないと思いますが、それは体に有害だから本能的に嫌なニオイと感じているためです。
便のニオイの強さは体調や腸内の状態によって変わる
腸内細菌の善玉菌や悪玉菌といった言葉は健康食品などでよく取り上げられていますが、これらの菌は腸内で絶えず勢力争いを繰り広げています。
善玉菌と悪玉菌のどちらの菌が優勢かによって便のニオイが変化します。
善玉菌が活発で優勢な場合
善玉菌の種類は主にビフィブス菌や乳酸菌などですが、善玉菌が腸内で活発に活動していると便のニオイは強くならずに、すっぱいような発酵臭に近いニオイになります。
悪玉菌が活発な場合
悪玉菌にはウェルシュ菌や大腸菌などがいます。
大腸菌は体調によって活発になったりおとなしくなったりするので別名「日和見菌」とも言われます。
大腸菌は「日和見菌」ですので体調が良ければおとなしくしているので体に悪影響を及ぼしませんが、ウェルシュ菌は硫化水素、メルカプタン、スカトールといった体に有害な成分を作り出します。
快便は体臭を抑える
便秘が長く続くと便から出てくる毒素のため、体のニオイが強くなることが分かりました。
となれば便秘を解消すれば体臭を抑えられる事になります。
快便になるためには以下の点に気をつける事をお勧めします。
野菜を積極的に多く食べる
便秘になる原因の一つは便に水分が少ないことがあげられます。
これを解決するには野菜に含まれる食物繊維を多くとることです。
食物繊維を多くとると便の量が増え、便に含まれる水分も増やすことができます。
ただし一度に多くの食物繊維を摂取すると下痢を引き起こします。
肉を食べるなら自分の体に合った量を
実はお肉は体にとって消化しにくい食べ物です。
お肉を多く食べると胃腸の消化が間に合わず、未消化の動物性たんぱく質が体内で腐敗することがあります。
未消化の食べ物の腐敗は悪玉菌によって引き起こされ、アンモニアや硫化水素といった毒素を生み出します。
肉類に含まれる食物繊維は野菜の食物繊維と違い、胃腸で消化されてなくなってしまいます。
その為、便に水分が入り込む隙間が出来ず、密度の高い水分の少ない硬い便になってしまうので便秘になりがちです。
肉類を食べる際には素早く消化されるように自分の体に見合った量を食べましょう。
一般的な目安としては体重50kgの人が食べるお肉の適量は1食分50g程度です。
お水を飲む
朝起きてからコップ一杯のお水がお通じの秘訣などと言われますが、お水や白湯を飲んで水分を取ることは便秘予防に効き目があります。
スープや野菜ジュースなども水分補給には向いていますが、コーヒーやお茶などのカフェイン入りの飲物やアルコール飲料は逆に脱水症状を起こしますのでお勧めできません。
体を動かす
腸の動きが活発になれば便秘は解消されやすくなります。
毎日の通勤、通学のウォーキングでも十分に効果があります。
車通勤や専業主婦などのウォーキングの時間を取りにくい人は手の平でお腹の腸のあたりを5~10分間さするだけでも便秘解消に効果があります。
同じ時間に排便するクセをつける
出そうだ、と思ったらすぐにトイレに行くことが望ましいです。
そこで我慢してしまうと腸の動きがにぶくなり、便が出にくくなります。
そのままにしておくと大腸によって便の水分が吸収され続けますので、便が固く締まり便秘になりやすくなります。
トイレに行くことができる時間帯を決めて便意が無くてもトイレに行き、条件反射で排便できるように体に覚えさせることも効き目があります。
起床してすぐはまだ体温が上がっていない事が多く体が活発になっていないのでお勧めではありません。
朝食後、もしくは昼食後などの胃腸が活発になっている時が良いでしょう。
ダイエットの方法を見直す
油断ちダイエットをしている方は、油断ちが便秘の原因になっていることがあります。
脂肪を含んだお肉を全く食べずに、野菜とご飯やパンなどの炭水化物だけといった食事をとり続けていると、便秘になる事があるのです。
お肉に含まれる脂肪を摂取すると腸の動きが滑らかになって便が出やすくなります。
油やお肉を控えているのに便秘になっている方は、逆に少し脂ののったお肉を食べてみると良い結果が得られる可能性があります。
ストレスを減らす工夫
ストレスは自律神経を狂わせ消化器系に不調を引き起こす大きな原因になります。
ストレスによって下痢や腹痛、便秘など様々な症状を訴える人は多いのです。
ストレスを解消する方法は人によってさまざまなので「これです」とは一概に言えません。
ただ言える事はストレスを解消することは便秘解消にもつながります。
おわりに
日本人の1/3の男性が、2/3の女性が便秘に悩んでいると、厚生労働省の「国民基礎生活調査」に報告されています。
それによると女性は20代で便秘が増える傾向にあります。
医学的には女性の方が男性よりも嗅覚が鋭いと言われています。
その為か、ご自分の体臭を気にされる女性も多いように思いますが、ニオイを気にされる女性の方が便秘になりやすいという残念な結果が出ております。
便秘は意識して根気強く対策を取れば解決できます。
便秘の解消が体のニオイを弱めることにつながりますので、ご紹介した解決法を一度試される価値はあるかと思います。
スポンサードリンク
コメント