体から発せられるニオイのタイプはいくつかありますが、今回は体臭の主な5つのニオイの原因とニオイ対策をご紹介します。
男の人と女の人では体のニオイが何種類か違うものがありますが、男女に共通した5つのニオイについて分析してみたいと思います。
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もくじ
そもそもどうして体臭はあるの?
体臭は体の生命活動から生まれる様々な物質が体内から体外に出てくるときに「ニオイ」として感知される現象です。
特に皮膚から放散される「皮膚ガス」のニオイが体臭の主な部分を占めています。
皮膚ガスは体中にはりめぐらされた血管を通じて体中の各部分からニオイの様々な成分が血液に混じって皮膚表面近くの毛細血管からガスとして出てきます。
体臭は体の内部のニオイが漏れ出してくるだけでなく、異性を引き付けるために体がわざとニオイを発している場合もあります。「フェロモン」というものです。
人間も動物ですのでニオイの強弱はありますがフェロモンは誰でも持っているニオイだと考えられています。
体のニオイの種類
体のニオイは様々な原因によって構成されます。
食生活の乱れや、偏り、飲酒や喫煙、加齢によって出てくる体臭など。
ここでは代表的な5つの体臭にスポットを当ててみます。
汗のニオイ
汗が原因となるニオイは大きく分けて2種類あります。
体の温度が上昇すると体温を下げるために汗腺から汗が出てくる、私たちが普段から「汗」と言っているものと、アポクリン汗腺という組織から分泌される「脂汗」の二種類です。
「汗」のニオイは汗が衣服に吸収されると衣服に付いている雑菌が汗の成分を分解して「汗臭い」ニオイが発生します。
「汗」をかいたら衣服を着替える事で臭わなくなります。
雑菌はしつこいのでお湯などで衣類を煮て殺菌する事で次に着た時に再び臭う事を抑えることが出来ます。
一方、アポクリン汗腺の脂汗が細菌によって分解されたときのニオイは刺激臭が強く、一般的に「ワキガ臭」と呼ばれます。
脂汗も汗自体に匂いの素があるわけでなく、分泌されたときには臭いません。
脇の下や陰部などにあるアポクリン汗腺から粘りがある脂汗が分泌されると、毛に絡みついてワキガ菌に皮脂成分が分解されてニオイが発生するのです。
脂汗の皮脂の量を下げる事がニオイを減らすことにつながるのですが、皮膚の表面に住み着いているワキガ菌を完全に取り除くことはなかなか難しいです。
現在では薬を塗るなどの薬品を使った治療法のほかに、ワキガ菌が住み着いている皮膚を外科的に切除して、ニオイを元から断つ方法もあります。
アポクリン汗腺の脂汗ののニオイは「ワキガ臭」ではありますが「フェロモン」の一種と言われており、欧米では個性的な香りとして受け入れられています。
日本を含むモンゴロイド系の人種はこの種のニオイを持つ人が少ないので、気にする方が多いという事情があります。
加齢によるニオイ
男性は40歳代ぐらいから、女性でも閉経後に加齢臭が発生することがあります。
ここ数年で分かったのですがニオイの元は主にノネナールという化学物質です。
体の表面から発せられるノネナールの原料は飲酒すると肝臓で作られるアセトアルデヒドという化学物質やお肉などの脂が分解されて出来る脂肪酸等です。
加齢臭を軽くするには身体を清潔に保つことである程度は和らげることが分かっています。
飲酒によるニオイ
お酒を飲むとアルコールの成分が肝臓で分解されます。
肝臓でアルコールが分解されると、アセトアルデヒドという化学物質が出来ます。
飲んだ翌日に口臭が気になる人もいるかと思いますが、口臭の主な原因はアセトアルデヒドです。
アセトアルデヒドはさらに肝臓で分解されて最後には無害な酢酸(お酢)に分解されます。
肝臓で分解される前のアセトアルデヒドと酢酸は血液に溶け込み体の表面からも放散されます。
「お酒臭い」と周囲から指摘される時は、飲み過ぎて肝臓がアルコールの分解が追い付かず、アセトアルデヒドと酢酸のニオイが発生しているのです。
お酒を飲むときは自分の肝臓がアルコールを次の日までに分解できる量を把握して飲むと翌日臭う事は無くなります。
ダイエット臭
ダイエット期間中に臭うという事で最近取り上げられることが増えてきた体臭です。
糖質制限や糖質ダイエットなど急激に糖質を取り込むことをやめると、体は糖質エネルギーを補うために脂肪を分解してケトン体という物質が作られます。
体が糖質に代わってケトン体をエネルギーとして消費するまでに切り替えの時間がかかるので体内に脂肪からできたケトン体がどんどん溜まります。
ケトン体はアセトンという悪臭のもとになる物質の一種で、吐いた息から放散されたり尿の中にケトンが含まれるようになり体臭が強くなります。
急激な糖類カットを一時控えて、ゆっくりと時間をかけて糖類を減らすことでダイエット臭を抑えることが出来ます。
食べ物の偏り
お肉や脂が多いものを多く食べると体のニオイが強くなる事があります。
肉類の動物性たんぱく質は消化されにくい物が多く、消化が追い付かない場合、胃腸内で未消化のたんぱく質がアミノ酸に分解される前にアンモニアや硫化水素などの悪臭の元を発生する事があります。
アンモニアや硫化水素が腸内の壁の中を通る血管に取り込まれて血液に含まれると体の表面から放散されます。
野菜のように消化されずに便の中に残る食物繊維がお肉類には無いので便が固くなります。
便が固くなると便秘になりやすくなります。
便秘になると大腸内に便が長時間留まるので便から発生するアンモニアや硫化水素を始めとした悪臭のもとが腸内壁の血管から体内に入り込み、体臭が強くなります。
お肉を食べるときは、消化できる目安として体重1kg当たり1g程度が消化に適量と考えられています。
体重40kgの人ならば40gの肉が適量というざっくりとした目安です。
一緒に野菜を多くとることで食物繊維をたくさん取り込むことになり、便が柔らかくなります。
便が柔らかいと便秘になりにくくなり、スムーズなお通じが可能になりますので、体臭も抑えることが出来ます。
おわりに
日本人は世界中の様々な人種の中でも比較的体臭の少ない人種と言われています。
体臭が少ない人が多いので、体臭が強い人は目立ってしまい、肩身が狭い思いをされている方もいらっしゃることでしょう。
しかし、体臭の原因と対処方法を知っておけば体のニオイを軽減することは十分に可能です。
ご紹介した対策がすべての人に当てはまるものだとは考えていませんが、自分でもできそうだと思われた項目は実施して、効果を検証してみる価値はあるかと思います。
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